腹膜透析(PD:Peritoneal Dialysis)は、あなたの体の中にある「腹膜」という天然の膜を利用した透析治療法です。腹膜とは、お腹の中の臓器を包んでいる薄い膜のことで、この膜を通して老廃物や余分な水分を取り除きます。
お腹の中に透析液を入れることで、血液中の老廃物や余分な水分が腹膜を通して透析液に移動します。
一定時間後、老廃物を含んだ透析液を体外に排出し、新しい透析液と交換することで、腎臓の働きを補います。
| 腹膜透析(PD)の特徴 | 血液透析(HD)の特徴 |
| • 自宅で治療が可能 • 週3回の通院が不要 • より自然に近い腎臓の働きを再現 • 体液変化が緩やかで体への負担が比較的少ない • 残存腎機能を長く保つことができる | • 病院で治療が必要 • 週3回、1回4時間程度の治療 • より効率的な老廃物除去 • 医療スタッフによる管理 • 長期間継続可能 |
・時間の自由度:自分のペースで治療スケジュールを組める
・家族との時間:通院回数が減り家族と過ごす時間が増加
・社会復帰の促進:仕事や学校生活を継続しやすい
・旅行が可能:透析液の配送手配により旅行先でも治療継続
・仕事や家庭の事情で頻繁な通院が困難な方
・残存腎機能を維持したい方
・心臓や血管への負担を軽減したい方
・自分のペースで治療を行いたい方
・旅行や出張が多い方
・患者自身が手動で1日3~5回、透析液の交換(バッグ交換)を行う
・大きな装置は不要で、自宅や外出先でも実施可能
・交換以外の時間は自由に活動できる
・ライフスタイルに合わせてスケジュール調整が可能
・専用機械(サイクラー)を使い、主に夜間就寝中に自動的に透析液を交換
・日中の拘束時間が短く、学校や仕事など社会復帰がしやすい
・腹膜炎など合併症に注意が必要だが、比較的管理がしやすい
・腹膜透析(CAPDまたはAPD)と血液透析(HD)を組み合わせて治療する方法
・腹膜透析単独で除去できない老廃物や水分を、血液透析で補助的に除去する
・患者ごとに最適なバランスや頻度を決めて行う
・最も注意が必要な合併症
・症状:腹痛、発熱、透析液の濁り
・予防:無菌操作の徹底、手洗いの励行
・治療:抗生物質の投与
・カテーテルの皮膚出口部での感染
・症状:出口部の発赤、腫脹、膿の分泌
・予防:毎日の出口部ケア、清潔保持
・透析液の流入流出不良
・原因:カテーテルの位置異常、便秘など
・対処:体位変換、緩下剤の使用、必要時カテーテル調整
・カリウム制限は血液透析より緩やか
・リン制限は重要
・タンパク質は適切な摂取が必要
・塩分や水分制限は個人差に応じて調整
・手洗いの徹底
・マスクの着用
・清潔な治療環境の維持
・定期的な健康チェック
・適度な運動は推奨
・入浴時はカテーテル出口部の保護が必要
・プールや温泉は医師と相談
・腹圧のかかる激しい運動は制限
月〜土8:00~18:30